分野別、研修医にオススメの医学書。第4弾!
最終回となる今回は、筆者の専門分野「小児科」。
たくさんある良書の中で、ローテートするだけの研修医にもきっとすごく役に立つであろう本を厳選してみたよ。
『小児の薬の選び方・使い方』
小児は大人と違い、薬を使う時にものすごく注意が必要。
また、子どもに応じて、粉薬・シロップ・錠剤と種類もさまざまで、研修医は子どもに使う薬の名前を覚えるだけでも一苦労。
さらに体重換算で量を計算しないといけないから、もう大変。
この本は、一般小児で使う薬は網羅している。
また、小児外来や夜間救急で来るような疾患に関して、診断・治療方法が書かれているので、救急当直などで子どもを診る機会がある人にはすごく役に立つ。
もはや、本のタイトルを「小児の薬」ではなく、「一般小児診療のすべて」と改名したらと言いたくなるくらい、本当に使える一冊。
小児科に進む予定がなくても、子どもの疾患を診る可能性があるなら持っておいて良いと思う。
総合評価:★★★★★(星5つ)
『小児ICUマニュアル』
小児科をしっかりやっている病院なら、小児のICU(PICU)があるかもしれない。
そこまでなくても、救急や集中治療で小児を診る機会がある人は、この本を持っておくべき。
救急でとっさに情報を探すのに役に立つ。
一般小児でも辞書代わりに使える。
かゆいところに手が届く本。
総合評価:★★★★★(星5つ)
『イラストで学ぶ新生児の生理と代表的疾患』
小児科の中でも新生児科(NICU)は特殊。
本気でNICUをまわるならマニュアルも持っておくべきだが、ここは研修医ということで、新生児(特に未熟児)におこりうる病態をわかりやすくまとめている本をオススメする。
総合評価:★★★☆☆(星3つ)
『先天性心疾患の血行動態』
ここまで来るともはやマニアック。
もし、研修する病院に小児循環器があるなら、心臓病の子どもを診る機会があるなら、この本がオススメ。
とても分かりやすいので、患者説明にも使える。
総合評価:★★★★★(星5つ)
『子どもの風邪』
本当はもっと紹介したい本がたくさんあるが、あまり書くと「研修医が」という観点ではなくなってしまいそうなので、最後に、読んで目からうろこだった、とっておきの本を一冊。
小児科とは関係ないけど、家に子どもがいる、という人も読んで損はしない。
最近、耐性菌の問題でむやみに抗生剤を使わないようにとの通達があったが、この本はまさに核心をついている。
風邪だと思った時にどうしたらいいのか、医者にとって実は一番むずかしい問題かもしれない。
総合評価:★★★★★(星5つ)
最後に
もっともっと紹介したかったけど、この辺で。
これで、「研修医が絶対買うべきオススメの医学書」シリーズは一旦終了。
今後、個別に医学書レビューもちょこちょこ書いていく予定。
では、皆さん、良い研修医生活を。
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