研修医が絶対買うべきオススメの医学書 ー内科編ー

今回からは、分野別に研修医にオススメの医学書を厳選して紹介するよ。

記念すべき第1弾は…

じゃ〜ん!!「内科」!。

自分がまわったことのある診療科だけなんで、全部を網羅してないのはあしからず。

内科全般

研修病院によっては、内科系診療科が細分化されず、「内科」というくくりになっているところがあると思う。
さらに、総合診療や老年内科など、専門科にとらわれず多くの症候をまとめて診ることもある。

そこで、まずは内科全般、いわゆる一般内科で使える本をご紹介しよう。
内科の基礎を学ぶ上でも役に立つはずなので、持っていて損はない。

『UCSFに学ぶ できる内科医への近道』

少し読みにくい本だが、この本に書いてあることが理解できていたら、間違いなくできる研修医=デキレジだ。

特に、後半にある「疾患別問題」の章は、指導医に口頭試問された時にすごく役に立つ。
診療科をまわる前に予習しておき、いざ聞かれた時にパッと答えれば、指導医からの評価もうなぎ登り間違い無し。

総合評価:★★★★★(星5つ) 

 

『ジェネラリストのための内科外来マニュアル』

おそらく研修医で外来を任されることは少ないと思うが、入院している患者さんが原疾患とは別の症状を訴えることはよくあること。

そんな時、この本があれば鑑別疾患を簡単に挙げることができる。
さらに、詳しく検査をする必要があるのか、対症療法でいいのか、経過観察でいいのか、判断するためのヒントにもなる本。 

総合評価:★★★★☆(星4つ) 

 

『内科診療 ストロング・エビデンス』

臨床現場で多用する本ではないが、読み物としてとても勉強になる本。

指導医にこうやるものだと教わっても、実はエビデンスがなかったりすることはよくある。
「エビデンス、エビデンス」 うるさい人は好きではないが、今やっていることが証明されていることなのか、経験則でされていることなのか、分かっていると色々と役に立つ。
少なくとも「エビデンス」うるさい先輩と同じ土俵で議論ができる(そういう人はどこにでもいるので)。

時間があれば読んでおくことをオススメする。

総合評価:★★★★☆(星4つ) 

 

循環器内科

その病院の循環器内科が何を得意としているかで、研修の内容がだいぶ変わってくると思う。
筆者は循環器内科にだいぶお世話になりコアな分野も色々まわったので、取り上げたい良書はたくさんあるが、とりあえず誰にでも当てはまる基本的なところに絞って紹介しよう。

『循環器治療薬ファイル』

これは本当に良い本。
特に心不全治療をしっかり勉強したいなら必須。 

循環器の基本的かつ重要な、病態から治療を考える思考回路が身につく。
薬の使い分けや循環作動薬の調節方法など、研修医が悩みがちな痒いところにも手が届く。

循環器内科ローテート中は、肌身離さず持っていた。

総合評価:★★★★★(星5つ)

 

『心臓血管外科研修医コンパクトマニュアル』

心カテに関して使える本。

『循環器内科ゴールデンハンドブック』という内科向けの本があり、つい買ってしまいがちだが、カテーテル検査や心臓手術後の患者さんのいる循環器内科なら、こっちのほうがオススメ。
というか、調べたいことの見つけやすさや、本の見やすさは段違いでこっちの勝ち。悪いけど上記の本はまったく使えない。

この本はオールカラーで見やすく、検査や評価については実践的で、ぱぱっと確認するのに最適。

総合評価:★★★★★(星5つ)

 

『不整脈判読トレーニング』 

誰もが乗り越えなければならないのが、心電図。

心電図関連はたくさん本があり、好みにより選択肢がありすぎるが(今後特集を組むとして)、あえて一冊紹介するなら本書。

タイトル通り、不整脈かどうか判読するために順を追ってトレーニングしてくれる本。
読み進めるほどに自分の成長が実感できる。 

総合評価:★★★★★(星5つ) 

 

『心エコーハンドブック 基礎と撮り方』

最後は、循環器内科で避けて通れない心エコー。 

心エコー室は薄暗くて眠くなるし、循環器の先生は集中しすぎて何も解説してくれないし。(解説しようにも患者さんが起きているのでやりにくい部分もある)
そのうえ、今なにを見ているのかさっぱり分からなかったら、そんな無意味できつい時間はない。

せめて、どういう手順で何を見ようとしているのか、この本で予習しよう。
カラー写真が多く、分からない人に分かるように書かれているので、まず挫折することはないはず。

今回紹介したのは、『基礎と撮り方』という基本中の基本を解説した本だが、同じシリーズで『心臓弁膜症』『心不全』『先天性心疾患』『冠動脈疾患』『心筋・心膜疾患』『血管エコー』がある。
痒いところに手が届く、とても良いシリーズ。
担当患者の疾患に合わせて、揃えてみてもいいだろう。

総合評価:★★★★★(星5つ) 

 

血液内科

特に本は必要ない。

プロトコール(各疾患に対する標準治療に相当するもの)と、病院ごとに作成されているであろうマニュアルがあれば、とりあえずOK。  

糖尿病・内分泌内科

将来この分野に進むことを考えている人向けならいろいろ良書があるが、今回はローテートするだけの研修医向けに一冊だけ紹介。 

『糖尿病治療ガイド』

2年ごとに改訂されている薄っぺらい本。
これは必須。

糖尿病治療のお決まりが書かれているので、最低限この知識がないとお話にならない。
逆に、この本さえあれば糖尿病治療はなんとかなる、というくらいにまとまっている凄い本。

そしてなんといっても、安い!!!

総合評価:★★★★★(星5つ)

 

神経内科

『病気がみえる vol.7 脳・神経』

研修医になってから、この本の秀逸さに驚かされた。

この本の知識と、あとは指導医に神経診察をしっかり教われば完璧。

総合評価:★★★★★(星5つ) 

 

消化器内科

診断基準や重症度分類がわかれば、特に本は必要ない。

筆者は、必要な図や表をコピーして、ノートに貼り付けて使っていた。
あと、意外に患者さん向けの薬のパンフレットがすごく分かりやすくて重宝した。 

腎臓内科

腎臓内科という独立した科がそもそもない病院もあるが、腎不全や透析などを扱っている科で使える本を紹介。 

『腎臓内科レジデントマニュアル』

腎臓内科をまわるなら、この一冊で十分。
必要なことしか書いてないので、使い倒そう。

ここに書いてある通りにすれば治療できてしまうが、機序を考え理解して応用するということに弱いのは、マニュアルであるがゆえの欠点。 

総合評価:★★★★☆(星4つ) 

 

最後に 

ここで紹介した医学書は、研修医時代、実際に役に立った本ばかり。

次回は外科編。お楽しみに。

 

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